子供の「水泳は嫌い」はあることをすれば「水泳は好き」に変わります

「水泳は嫌い」というセリフを子供からしばしば聞きます。

明らかに人生経験が10年もない子供が、一体いつ水泳を嫌いになったんでしょうか?


1.「嫌」が「嫌い」に変わる時

んばあ、んばあしか言わなかった赤ん坊が初めて話す言葉の上位にランキングされるのが「嫌」です。

「ありがとう」は教えても言わないのに、「嫌」は教えてもないのに喋ります。

この「嫌」という言葉はだんだんボキャブラリーが増えるにつれ「嫌い」という言葉に変わってきます。

これは私の勝手な推測ですが、「嫌」はわがままとして親に受け取られ、だんだん通用しなくなってくるのを学習し、「嫌い」は意思表示として受け入れられ「これは使える」というのを学習してくるのだと思います。

なのでとりあえず「嫌い」と言えばどうにかなる、うまくいけば自分の不都合な事を回避できるというのを覚え、あらゆる場面で「それは嫌い」という言葉を出すようになります。

そして子供によくあるセリフが「水泳は嫌い」です。

果たして子供は本当に水泳が嫌いなのでしょうか?





2.子供が言う「水泳は嫌い」のセリフの出所を知る

ここから記載させて頂く事は、私が以前勤めていたスイミングクラブの責任者、つまり元上司がよく親御さんに話をされていた内容です。

自身も水泳指導員として第一線で活躍され、そして私は元上司の指導を間近で見ながら勉強し、自らもその現場に居合わせ、身をもって体験してきた話です。

子供は誰でもわがままで、それが当たり前です。

しかしだんだん世界が広がるのは分かっている事なので親は保育所、幼稚園、小学校とその年齢に応じ「わがままは通用しない」というのを、外の世界で生きていけるように家庭内で躾を施します。

世界が広がり、遅くとも小学校に入る時には授業の一環で水泳教室が入ってきます。

そしてその中の何人かの子供は「水泳は嫌いだからやりたくない」と言う子が必ずいます。

ここで大事になってくるのが「なぜその子供が水泳を嫌いになったのか」の前に「いつから嫌いになったのか」を考えるみることです。

スイミングクラブに子供を入会させに来られたお母さんからよく聞いたセリフが「うちの子供、水泳嫌いなんで」という言葉。

「子供が水泳が好きだから入会させる」という親御さんと同じぐらいか、それより少し多い数の親御さんが「子供が水泳嫌いだから入会させる」というものでした。

つまりスイミングクラブに初めて来た時にその子供は既に水泳が嫌いなんです。

じゃあいつから嫌いになったのかというと、根本を辿ればその原因で最も多いのが家庭内です。

「うちの子供水泳嫌いなんで」という親御さんに「お母さんも一緒に水泳されないんですか?」と尋ねると大概「私は無理です」とか「私が泳げないのでせめてこの子だけでもと思って」とか「私はそんなに好きなほうじゃないんで」とか、どちらかと言えば消極的な意見を言われる方の方が多いです。

つまり親御さんがあまり水に親しみがない、またはどちらかと言えば苦手という方が多いので、その結果の行動が無意識に家庭内で出て、知らず知らずのうちに子供が水泳を嫌いになるように仕向けているパターンが多いようです。

その無意識に出ている家庭内での行動とはシャワーです。

子供ですから親と一緒にお風呂に入ります。

そして頭を洗ってシャワーで流す時、躊躇しながらかけたり、恐る恐るかけたりしていませんか?

子供が嫌がったら「ごめん、ごめん」と謝りながらシャワーをかけていませんか?

親が躊躇したり、恐る恐るしてる事は子供も同じように躊躇し、恐る恐るやるようになります。

ましてやシャワーを嫌がった時に親に謝られたら「シャワーを嫌がる事は悪い事ではない」と認識しても仕方ないと思います。

しかし、その親御さんの行動は意味がわかります。

自分が今一つ苦手な水関係の事柄、この場合はシャワーですが、その自分が嫌なことを子供にさせるのは、躊躇して当たり前だし、恐る恐るするのも当たり前だし、嫌がったら謝りたくなるもの当然だと思います。

セリフの出所は家庭内で、そして親御さんというケースがほとんどだという理由はお分かり頂けたかと思います。

しかし親御さんは何も悪くないんです。

それで普通の親御さんなので。

すべて子供を想っての行動なので誰も親御さんのことを責めてはいけないのです。


3.「嫌い」が「好き」に変わる時

「小さい時から無意識の中に受け植え付けられた記憶はなかなか取れない」とよく聞きますが確かにそうだと思います。

しかし水泳に関しては大丈夫です。

水泳が嫌いな子供で、元気がある子供はプールサイドを走り回ってでも逃げます。

そして泣きわめきます。

それでも気が付いたらいつの間にか笑ってて、頼んでもないのに勝手にクラスのリーダーまでやってくれてて、そして何年か経つと明らかに私よりクロールは上達してます。

これは何故か分かりませんし、その根拠もないのですが、結果論として申し上げられる事としては、入会の時に「水泳が嫌い」と言ってた子供ほど、いつの間にか私より水泳が上達してるパターンの子供が多いです。

しかしこれも親の努力の賜物なんです。

普通嫌がったら辞めさせたくなるものですが「水泳が嫌い」と言っている子供の親御さんは「せめてこの子だけでも泳げるようになって欲しい」という想いで、嫌がってる姿を辛抱しながら見てくれたからです。

親が辛抱したから子供も辛抱して続けるんです。

続けたからこそ上達するし、続けたからこそ好きになります。

子供の「水泳は嫌い」のセリフは親御さんの辛抱でいつの間にか「水泳は好き」に変わるのです。

以上の内容が元上司がよく親御さんに話されていた内容です。

私はその場に立ち合い、現場を目の当たりにし、そしてその通りだと実感しました。

入会当初「水泳は嫌い」と泣きわめいていた子供が何年か経って水泳も上達して水もすっかり好きになった時「あの時何で水泳嫌いって言って泣いてたの?」と聞くとほとんどの子供はこう返してきます。

「わからない」。

「嫌い」が「好き」に変わるのがいつなのかは、本当のことを言うと私もわかりませんが、その「好き」の根本の出所も親御さんであるという事だけは間違いありません。







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