子供が水泳を習うメリットと子供に水泳を習わせるメリット
子供の習い事に毎年のように上位にランキングされるのが水泳です。
それだけ水泳にはメリットがあるのでしょうが、メリットは子供だけでなく親にもメリットがあるのです。
1.水泳をする事のメリット
子供の習い事で水泳を選ぶ方が多いですが、その選ぶ理由で最も多いのが健康の維持または改善です。
健康の維持では「体力をつけたい」が最も多く、健康の改善では「喘息の改善」「アトピー体質の改善」「肥満の改善」が上位を占めます。
詳しい事が分からなくても「水泳は体にいい」という事は誰でも知っていることで、それは今も昔も変わらない事。
水泳はとにかく全身運動及び有酸素運動の代名詞でもありますので、これからもその人気は衰えることなく老若男女に愛用されるスポーツなることと思います。
しかしながら近年は、一つの事に関して色々な選択肢が増えた時代です。
スポーツをみても、本当に色々なスポーツが、誰でも手軽にできる時代になってきました。
そんな中、少し現金な話になってきますが、やはり何事もやるからには何かしらのメリットが欲しい物です。
水泳に関しても同じ事で、体にいい事は分かってる事だけど、それ以外のいい事ってないのかな?と考えるのも自然な事です。
水泳をする事のメリット、しかも水泳を習う子供のメリットと習わせる親のメリット、それぞれの「体にいい」だけじゃないメリットをいくつかご紹介致しましょう。
2.子供が水泳を習うことの子供のメリット
私がスイミングクラブに勤めていた頃、上司から聞いた実話です。
上司がかつて勤めていたスイミングクラブの生徒だった幼稚園児の男の子が、ある日ため池に落ちてしまったそうです。
その子はスイミングクラブに通い始めて1年くらいで、少し水には慣れていましたが、決して自力で泳げるだけの泳力はなかったそうです。
そんな男の子がため池に落ちてしまうと、通常考えられるのは最悪の結末です。
しかしその男の子は無事に助かったそうです。
その男の子はスイミングクラブで習っていた「背浮き」を覚えていて、冷静にそれを実行し、背浮きの姿勢で呼吸を確保しながら助けが来るまで待っていたので助かったそうです。
子供が水泳を習うことの子供の1つ目のメリットは「水難事故から自分の命を自分で守る術が身につく」ということです。
すべてのケースですべて助かるとは言い切れませんが、その男の子がスイミングクラブで背浮きを習っていたからこそ、その子は助かったことは間違いないと思います。
次もまた実話ですが、その上司が小学校の水泳授業の特別講師という事で、近隣の小学校へ行った時の事です。
その学年の水泳授業には、当然うちのクラブに来ている生徒も何人かいました。
その中に、とても気が弱く、人に話すのも少々おどおどしながら話すような少し暗い感じの男の子がいました。
上司はそのおどおどしたうちのクラブに通っている男の子を指名して、友達皆の前で見本を泳ぐように指示しました。
その学年は全員がスイミングクラブに通っている訳ではないので、通っている子と通っていない子の泳力レベルの差は歴然でした。
泳ぎ終わると皆が「○○君すごーい!!」みたいな雰囲気になったそうです。
その男の子はスイミングクラブに来た時もおどおどしていましたが、それを機に徐々におどおどした感じが無くなり、確実に明るい子へと変わっていきました。
もちろんそれは上司の、その子に自信をつけさせてあげたいという戦略ですが、とりあえず、子供が水泳を習うことの子供の2つ目のメリットは「学校の水泳授業に役立つ」ということです。
3.子供に水泳を習わせることの親のメリット
私が子供の頃はスイミングクラブなど私が住んでいた田舎にはなく、よほど大きな街でないとない時代でした。
ですので夏の遊びと言えばもっぱら川に泳ぎに行くことでした。
家が貧乏でしたが、親も特に何も言いませんでした。
子供に水泳を習わせることの親の1つ目のメリットはずばり「お金がさほど掛からない」というものです。
スイミングクラブがたくさん出来た現代でも同じ事。
入会時の水着やバッグ、入会金、年会費等を支払えばあとは月々の月謝のみ。
他に必要な物と言えばキャップとゴーグル代ぐらいです。
スイミングクラブによくある進級テストで合格する度にキャップを買うシステムであったとしても、テストに合格するのも早くて2、3か月に1度なので、その時に掛かる程度。
キャップ代は1000円も掛かりません。
あとは何も必要ありません。
年数が経ち上達したところで同じで、何年経っても必要な道具は身一つです。
あと、これは何年か前のデータになりますが、色々なスポーツにおけるケガの発生率の割合を調べた本がありました。
そこに記載してあった最もケガの率が低いスポーツは水泳でした。
そのケガの発生率はゲートボールより下でした。
子供に水泳を習わせることの親の2つ目のメリットは「ケガの心配が要らない」ということです。
スイミングクラブのレッスンでは必ず指導員がつきます。
指導員は指導と監視を両方兼ねている人員でもありますので、水泳技術を上達させることはもちろん、子供が危険な行為をしないかを常に見て、それを回避する仕事も同時に行っています。
ですので、指導員が入るレッスン中に水中で事故が起こることは100%ないのです。
4.メリットがあれば
子供と親の観点から、子供が水泳を習うことのメリットをいくつか記載させて頂きました。
しかしメリットがあれば必ずデメリットがあります。
相手が水だけに「熱っぽいけど少しだけだから」という時でもプールは入ってはいけません。
「風邪の熱は下がって、あとは鼻水だけ」という時もダメです。
熱っぽい時は肺炎になる可能性がありますし、鼻水が出ている時に水に入る事は中耳炎を引き起こし易くしてしまいます。
陸上のスポーツなら融通が利く体調でも、水の中は融通が利きません。
ちょっとした体調不良が重大な疾患につながる可能性が高いスポーツですので、無理をして行えるスポーツではないのがデメリットと言えます。
また、対象者の泳力があまりにも低い場合、例えば幼児の水遊び中心のクラスの場合は、泳ぎが上達しているクラスと同じ時間だけのレッスンは行いにくいです。
水温は温水プールでも体温よりは低い温度ですので、その中で泳力が低く自分で熱生産が出来ない幼児が長時間入っておくことは無理です。
いくら機嫌よくプールに入っているからと言って長時間入水させることは、腸の温度を下げ易くし、体調不良の原因を引き起こしかねませんので、人によっては長時間できない事もデメリットです。
しかしながら先程も記載しましたが、子供が水泳を習う場合は指導員が必ずつきますので、その辺の体調の観察も、レッスンと安全確保と同時に常時行っています。
「命を預かるエリートでありエキスパート」の水泳指導員はあくび一つ見逃しません。
安全が確保されている水泳教室で子供に水泳を習わせることは、子供だけでなく親にもたくさんメリットがあるスポーツなのです。