クロールのブレスのタイミングが上手くいかない正体とは?

クロール習得過程でうまくいきそうでいかないのがブレスのタイミング。

今回は初心者のクロールにおけるブレスのタイミングにポイントを絞ってみました。


1.ブレスとは

ブレスは息継ぎのことを意味します。

クロールのブレスの習得は、水泳の覚え始めの段階で一番難しい練習項目です。

一生懸命練習を繰り返しているうちにだんだんと「タイミングが合った」という感じを覚え、そして本当に何回か出来るようになってきます。

しかし上手くいったと思ったのも束の間で、一度タイミングがずれるとさっきまで上手くいってたものが急に上手くいかなくなったりします。

ではクロールのブレスのタイミングとは、具体的にどのタイミングで取ればいいかを考えてみましょう。


2.クロールのブレスのタイミング

クロールは縦軸回転の泳ぎです。

クロールのブレスはこの縦軸回転のタイミングに合わせて行います。

つまり軸回転により体が横に傾くので、それに合わせてすこし顔を横に向け、そしてブレスを行います。

軸回転に合わせて顔を横に向け、そしてブレスをしようとしたのにも関わらず、水を飲んでみたり、それ以前に顔が水面に出ていなかったり。

同じタイミングで、同じ感覚でやっているのに、なぜ上手くいく時といかない時があるのか?

次は上手くいかない時の原因を探ってみます。


3.うまくいかないのはブレスのタイミングだけのせいじゃない

ブレスがうまく出来なかった時、よく耳にするのが「タイミングがずれた」という言葉。

そう聞いただけでは「吐くタイミングが上手くいかなかったのかな」とか「顔を横向きにするタイミングがずれたのかな」と思いがちです。

この記事を読んでる方で、今クロールの息継ぎを練習している最中の方、もしくは過去に息継ぎの練習を経験された方は、自身も練習中にタイミングがずれたと感じたことがあったはずです。

でも、そのタイミングがずれた時って、正確には「息継ぎのタイミングがずれた」ではなく「何なのかは分からないけど、何かがなんとなくずれて、その結果息継ぎのタイミングもずれた」ではなかったですか?

ブレスのタイミングがずれるのは、ブレスのために軸回転に合わせ顔を横に向けるとか、息を吐くとかだけでなく、もっと根本的な「何か」のタイミングがずれることによって上手くいかないというパターンが非常に多いのです。

ではその「何か」を見つけてみましょう。


4.ブレスのタイミングをずらす「何か」の正体

それはクロールのブレスのタイミングがずれたと感じた方が共通して感じる事。

「よく分からないけど、息継ぎとは違う部分の何かがずれた」という事です。

そしてそれは大体当たってます。

「何か」の正体は一概にコレとは言えないのが事実です。

人によっても、また同じ人物であったとしても、その時その時の状況で「何か」の正体は刻々と変わってきます。

ですので今から申し上げる事はあくまでもよくあるパターンの一例であり、タイミングが合わない時のすべてのケースにおける「何か」ではないという事をご了承下さい。


1.「何か」の正体 その①

体が浮いていない

そもそも体が浮いていません。

このパターンの方でクロールのブレスのタイミングが合い易いのが、スタート直後の1回目のみ。

2回目、3回目となるにつれ、だんだんタイミングが合わなくなってくると感じます。

それはタイミングが合っていないのではく、足がどんどん沈んでくることによって息継ぎそのものができない状態になってきているからなのです。

ちなみに1回目だけタイミングよく上手くいってると感じるのは、壁を蹴った勢いのスピードによる揚力に助けられて体が浮いているからです。


2.「何か」の正体 その②

腕を大きく回していない

クロールのブレスは縦軸回転のタイミングに合わせて行うと申し上げました。

縦軸回転は左右交互に体が傾く動作を意味し、水泳の用語では「ローリング」と言われるものです。

初歩のローリングは、本来、習得しようと思って習得するものではなく、腕を大きくまわす事によって自然に生まれる動作です。

そしてローリングに合わせて顔を動かしブレスを行う訳ですが、このローリングが小さすぎると初歩の段階では少し横に向けたくらいでは、顔は水面上にでません。

顔が水中にある限り、誰がやっても吸気を行う事は不可能です。

そしてローリングが小さくなってしまった大きな要因として挙げられるのが腕を大きく回していないということです。


3.「何か」の正体 その③

持久力がない

一言で言うと単にバテたという事です。

筋力的にも循環器的にもバテてます。

要するに息があがって、手足も疲れて動かない状態ということ。

その状態ではまずきれいなストリームラインの姿勢が確保出来ていません。

そして呼吸は乱れていて、きちんと吐き切れてもいません。

ここまで来たら、ブレスなんかは出来るだけでも儲けもので、タイミングも何もあったもんじゃないです。

じゃあこんな状態でも時々出来たりするのは何故かというと、それは水泳上達に向ける気力と意地と根性のみ、ということになります。

人の行動は、特にその動作に慣れていない場合は、考えたり感じたりしたことが動作となって現れます。

水泳の上達を志すその気力と意地と根性が体を動かすのはごく自然なこと。

色々高度な練習方法はたくさんあると思いますが、タイミングを無視してでも気力と意地と根性だけでブレスを行おうとするその行為は、むしろ最も敬意を表すべき動作だと個人的には思います。


5.正体見たり

「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」と同じようなニュアンスで、分かってしまえばその原因は意外と大した事なかったりします。

原因の大半は今まで何度も練習で繰り返しやってきたがほとんど。

ただでさえクロールのブレスのタイミングで悩んでるのに、また新しい事を覚えろ、という訳ではありません。

大概の場合、上手くいかない原因は、今やっている事そのものよりも少なくとも一つ前にある場合が多いです。

クロールのブレスのタイミングを上手く取るには、今までやってきたことを正確に、そして丁寧に行うように心掛ければ、自然に合うようになってくるものと思われます。

それでも上手くいかない日も必ずあります。

そういう日は水中ウォーキングやアクアビクスなどで、それこそちょっと一息ついて気分転換するのもいい練習方法ですよ。

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