平泳ぎの歴史~平泳ぎは日本のメモリアルに多く登場する種目でした

平泳ぎは人類が最初に泳いだ泳ぎなんだそうです。

そんな平泳ぎの歴史と、平泳ぎと日本人の関わりについて少しご紹介いたします。


1.昔むかしあるところに・・・

「両手で同時に水を掻き、両足で同時に水を蹴る」というのが人類最古の泳ぎ方という事は色々なところに記載されています。

その泳ぎ方はまさに平泳ぎの原型で、平泳ぎの歴史が始まった起点と言えると思います。

その頃の水泳はイコール平泳ぎだと思われますが、その水泳の歴史が書かれているものを年代ごとに記載してみました。

紀元前9000年頃 アフリカのリビア砂漠ワディ・ソリ遺跡の壁に水泳の像が彫刻されていて、世界最古の水泳の像と言われているそうです。

紀元前3300年~3000年頃 エジプト文明の頃、陶製印章面の模様や象形文字の中にある絵文字に水泳の像が見られるそうです。

紀元前2500年~2000年頃 インダス文明のモヘンジョダロの都市国家の発掘遺跡からは公共浴場が見つかったそうです。

紀元前2000年頃 ヒンズー文明では宗教的儀式のガンジス川の沐浴祭が始められたそうです。

紀元前1300年頃 中国の漢民族の間で水泳が行われた記事が残っていたそうです。

年代の記載はありませんでしたが「古代ギリシャではギムナジオン=体育練習場にプールを作り、スパルタ、アテネ(各地名)などでは水泳が必須科目として教えられていた」と記述があったそうです。


2.日本の平泳ぎの歴史

日本での水泳に関連する記述は以下のようなものが残されています。

713年 古事記中巻に「日本武尊(やまとたけるのみこと)が出雲国肥川(いずものくにひかわ)で船を清めて出雲建(いずものたける)を征伐した」とあるそうです。

720年 日本書記崇神天皇紀(すじんてんのうき)に「出雲臣(いずものおみ)の
祖出雲振根(そいずもふるね)が弟飯入根(いいいりね)を止屋渕(やむやふち)に誘い、水泳を共にしたのち、あざむいて殺害した」とあるそうです。

その他「源平盛衰記」「大日本史」などにも水泳で武功を立てた話が多く残されていたり、鎌倉末期から江戸初期に至る間の戦記に水泳を用いた戦場での手柄話が数多く残っているそうです。

ここまでの文献に残されているものはおそらく平泳ぎの原型であり、日本の水泳においてもまさに平泳ぎがその歴史の始まりだったと考えられます。

そして水泳は武士のたしなみとして重要視されるようになり、江戸時代には「御前泳(ごぜんおよぎ)」なるものも存在し、江戸幕府または藩公の奨励によって発達していったそうです。

それこそが今に残る日本泳法なのだそうです。

日本古来の泳法も、その原型は平泳ぎだった事を思うと、なんだか不思議な感じがしてきます。


3.メモリアル

過去の競泳の歴史を振り返っても、平泳ぎはその記念となるものに多く登場しています。

1928年 第9回オリンピック アムステルダム大会 鶴田義行選手 200M平泳ぎ 金メダル 日本人が競泳で最初に手にしたメダルの種目は平泳ぎでした。

1936年 第11回オリンピック ベルリン大会 前畑秀子選手 200M平泳ぎ 金メダル 日本人の女性が初めて金メダルを取った種目も平泳ぎでした。

1992年 第25回オリンピック バルセロナ大会 岩崎恭子選手200M平泳ぎ 金メダル
競泳の最年少で金メダルを取った種目も平泳ぎで現在もその記録は破られていません。(2017年3月1日現在)

2004年 アテネ大会 2008年北京大会 北島康介選手100M平泳ぎ 200M平泳ぎ 各金メダル オリンピック2大会連続2種目制覇を日本人で初めて成し遂げた種目は平泳ぎでした。

そして2017年3月1日現在、競泳界において世界記録を持っているのは渡辺一平選手だけで、その種目も平泳ぎです。(2017年1月29日 200M平泳ぎ2分06秒67 世界記録樹立)


4.お家芸

戦前、男子の平泳ぎは日本のお家芸と言われていたそうです。

数々の歴史に残る種目も平泳ぎだった事を踏まえると、これからも指導員として心して平泳ぎを伝えていきたいなと思いました。

[hira]

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