背泳ぎのサイドキック練習はお勧めです
水泳の練習は、昔からある基本的なものや、近年考案された画期的なものまで色々な方法があります。
今回はその中の「背泳ぎのサイドキック練習」をピックアップしてみました。
1.背泳ぎのサイドキックとは?
水泳の中で近代4泳法という括りがあり、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロールがそれにあたります。
その中で背泳ぎは仰向けの泳ぎ方ですが、うつ伏せのクロールと同じ縦軸回転の括りに分類される泳ぎ方です。
縦軸回転とは頭頂部からつま先まで動かない縦の軸が走っていて、その軸に沿って左右にゆらゆら傾くような動作を繰り返す泳ぎ方になります。
背泳ぎのサイドキックは、その縦軸回転の泳ぎ方には欠かせない練習方法の一つとなります。
やり方は、片方の手が上で、もう片方は気をつけの状態で、顔は上を向いたままで、首から下が横を向いてキックを行う方法です。
始めはビート板を持ったり、傾き具合が少しでも構いません。
慣れるに従ってその傾き具合が大きくなり、最終的には真横が向けるようになればベストです。
今回は、背泳ぎのサイドキック練習のメリットをご紹介致します。
1.背泳ぎのサイドキック練習のメリット① 左右の違いに気づける
大抵の人は自分の体は左右対象だと思っています。
でも左右対称の体の人はそうそういません。
もちろん体の左右対称だけが要因にはなりませんが、もし誰しもが左右対称なら、野球のバットやゴルフクラブなどを振る時、左右とも違和感なく振れるはずだと思います。
背泳ぎのサイドキックは、そんな自分の左右の体の違いに気づける練習方法です。
必ず「どちらかと言えば」右、または左がやり易いというのがあると思います。
つまり反対側はそちらに比べたらやりにくいという事。
一般の水泳愛好者の場合なら、そのほとんどの理由が関節の可動域の違いです。
箸を右で使うからと言って、何もかも右が得意とは限りません。
特に肩、腰、股関節の可動域の違いで、背泳ぎのサイドキックは、そのやり易さに違いが出易いです。
可動域が広い方がもちろんやり易く、狭い方がやりにくいです。
可動域が狭い方は、広い方より水をかく場所が浅くなっていたり、キックの上下の幅が狭くなっている可能性が高いと言えます。
例えばリズムが取りにくい原因であったり、真っ直ぐ泳げない原因が、その体の左右非対称という部分に隠れている可能性もあります。
背泳ぎのサイドキックで自分の体の左右バランスの現状を知ると、他の部分の上手くいかない原因の解明につながる場合が多々あり、そういう意味で割と便利な練習となりうるのです。
2.背泳ぎのサイドキック練習のメリット② 自然なローリングにつなげ易い
背泳ぎの上達を焦ると、つい技術に走りがちになり、その代表的なのがローリング。
本来ローリングはキックを大きく強く打ち、手で水をしっかりとかくことによって自然に生まれてくるものです。
しかしローリングが入る背泳ぎは見た目がとてもきれいで「いかにも水泳が上手な人」という印象を受けるので、自分の泳ぎにもつい取り入れたくなる気持ちは分かります。
しかし取って引っ付けたようなローリング程、残念なものはありません。
だからと言って、退屈なキックやプル練習ばかりではモチベーションも上がりません。
そこで背泳ぎのサイドキック練習です。
将来必ず自分の泳ぎにも自然に生まれてくるであろうローリングのイメージの練習に持ってこいです。
サイドキックと言え、要は背泳ぎのキック練習には違いないので、背泳ぎの上達に欠かせない要素が詰まった練習でもあります。
背泳ぎのローリングを入れる前に、ぜひ背泳ぎのサイドキック練習をされる事をお勧めします。
なんとなくローリングのそれっぽいイメージが出来て楽しいですよ。
3.背泳ぎのサイドキック練習のメリット③ クロールの息継ぎにも役立つ
冒頭にも記載しましたが、背泳ぎとクロールは縦軸の括りの泳ぎなので、背泳ぎの練習は必然的にクロールの練習にもつなげ易いです。
水泳初心者の方でクロールの息継ぎが苦手な方は、背泳ぎのサイドキックの形でクロールの息継ぎの形を練習される事をお勧めします。
うつ伏せから横に向くのと、仰向けから横に向くのとでは随分感じが違うので、うつ伏せからは出来ないという方でも仰向けからは比較的簡単にできます。
厳密に言えばもちろん違いますが、そこは「遠からず」という事で、出来る事、やり易い事から始めた方が練習は断然楽しいです。
クロールの息継ぎが苦手な方はぜひ背泳ぎのサイドキック練習からどうぞ。
2.練習も使い回しで
よく雑誌に掲載されているファッションに関する記事などで「使い回しコーデ」というのを見かけます。
一つの服を上手く使い回し着こなす事でお洒落の幅を広げるテクニックですが、水泳の練習も同じようにされると楽しいです。
背泳ぎのサイドキックは、背泳ぎだけでなくクロールをはじめ、別の括りに分類される平泳ぎやバタフライにも役立つ練習です。
ビート板を使えば水泳初心者の方にも比較的簡単に出来る方法なので、ぜひご自身の水泳の幅を広げるためにも背泳ぎのサイドキック練習をされる事をお勧めします。
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