大切なのはターン後の姿勢 | 初心者のためのクロール
きれいなターンは水泳初心者の憧れです。
やっと50M泳げるようになったクロールでターンの練習をされる方も多いですが、ターン後の練習をされる方はあまりお見かけしません。
1.ターンに意識が行き過ぎると
クロールも少し泳げるようになり、どうにか50M泳げるようになってくるとターンの練習が入ってくるようになってきます。
ターンの練習をするという事は、少し水泳が上達した証でもありますので、なかなか出来なくても気分的には満足し、そしてターンだけの練習自体は持久力を必要としないので初心者にも人気の練習メニューです。
そして楽しい練習が故に、更に練習を重ねて益々ターンは上達していく事になるのですが、あまりターンだけに意識が行き過ぎると本質からずれてしまう事になりかねないのです。
2.クロールのターン
クロールのターンで最初に習うのはタッチターンです。
タッチターンは、クロールの場合、片手または両手でタッチをして、その後向きを変えて壁を蹴るという形です。
手でコースロープや壁を持ったり、床に足を着いたりしなけば特に問題ありません。
きれいなターンの形となると、上手に出来るようになるまで少々時間が掛かってしまいますが、細かい形にこだわらなければ、割と簡単にできます。
ここで問題が出てくるのですが、きれいな形のターンでも大雑把なターンでも、大切なのはターンよりターンの後という事。
クロールを50M泳ぐためのターンなので、ターン後の姿勢がグズグズになってしまっては泳げるはずの50Mも泳げなくなってしまうのです。
3.ターン後の姿勢でクロールも変わる
となると、きれいなターンを習得する事が肝要になってくる訳ですが、いくらターンが上手に出来てもターン後の姿勢がきちんと出来ていないとやはり同じ事と言えます。
水泳のスタートはすべてストリームラインでのけのびからか始まります。
このストリームラインを維持し、いかに抵抗を受けない状態で壁を蹴った力を推進力に変えるかが水泳上達の鍵となります。
それはもちろんターン後のスタートも同じ事。
ターンは25Mプールで少なくとも50M泳ぐ場合に必要になってきます。
クロールを25M休みなく2本泳いだ場合はさほど疲れないのに、50Mを1本泳いだら物凄く疲れるという方は割と多いです。
クロール25M2本の場合はきれいなスタートが2回出来ている事になります。
本来なら50Mのクロールを泳いだ時も同じにならなければいけないところ、ターン後の姿勢が水平になっていない場合、そこで疲れる要因をわざわざ作っているという事になります。
ターン後のストリームラインの確保の仕方でその後のクロール自体が変わってくるのです。
4.水泳は同じ事の繰り返し
競泳と水球とシンクロナイズドスイミングの3つの水中のスポーツを比べると、水の扱いが上手な順は①水球 ②シンクロナイズドスイミング ③競泳の順になると言われます。
水を扱うという面で比べると競泳がこの3つの中では一番劣ります。
理由は、競泳は同じ事を繰り返す競技だから。
水の抵抗を最小限にし、機械で計ったように正確に、そして緻密に同じ事をひたすら繰り返して、その速さを競うのが競泳です。
ターンがあるからと言ってターンの後の姿勢がスタート時と変わる事は決してないのだという事をしっかり認識しておく事が重要なのです。