子供の水泳が上達しない~水泳習得時に詰まり易いポイントを知る
子供に水泳を習わせているけど、なんでうちの子だけがなかなか上達しないのか?と思ってる保護者の方。
「上達しないのはうちの子だけ」と言っておられる方は、少なくとも全体の半数を占めますよ。
1.子供の水泳が上達しないと悩んでおられる保護者の方へ
「○○君、この前の進級テストで背泳ぎ合格したんだって」
「○○ちゃんなんか、もうバタフライの練習してるって言ってたわよ」
そんな会話はどこのスイミングクラブでもよく耳にする内容ですが、それとセットのように「でもうちの子はまだ級も下の方で・・・」というセリフ。
自分の子供がなかなか水泳が上達しないと悩んでおられる保護者の方はたくさんおられるようです。
「その子のペースがあるんだから、あまり気にしないで」と声を掛けてくれるものの、やっぱり気になる自分の子供の上達ぶり。
そんな「自分の子供だけが水泳がなかなか上達しない」と悩んでおられる保護者の方へ、少しでも参考になればと思い、具体的に上達しにくい部分をご紹介させて頂きたいと思います。
2.水泳の上達が滞り易いポイント
個人差はありますが、多くの子供が水泳を習得する際、その上達に苦戦するポイントをいくつかご紹介致します。
①バタ足
練習の初期の段階から導入されるバタ足で早速その上達に詰まる子供も少なくありません。
ある程度できるようになっても、なかなかクロールに結び付くようなキックが打てなかったりします。
幼児以下でバタ足がなかなかできない原因の一つには、乳児期のハイハイの時期が少なかった、歩行器を使用していたというのもその一因のようです。
②背浮き
仰向けになるのが怖い子供はなかなか背浮きが上達しません。
③クロールの息継ぎ
これまでの部分的な練習を総合的に組み合わせ、且つタイミングやリズムが加わってくるようになるので、ほとんどの子供が少なからずここで上達を足踏みしてしまいます。
④背泳ぎのキック
重力に逆らってキックしなければならないので、感覚的にはクロールキックの倍疲れます。
⑤平泳ぎのキック
生活形態が洋式=椅子での生活が多い現代は、食卓からトイレまでほとんどが椅子で、足首を曲げたり伸ばしたりする和式=正座する機会が少なくなり、結果足首が硬い子供が増え、平泳ぎのキックの「足首を返す」という動作で詰まる子供が多いです。
だいたいのパターンではありますが、以上が子供の水泳が上達しないポイントです。
上達しないポイントに対する具体的な改善方法を記載しない理由は、それは本人を直接見てみないと分からないからです。
子供の水泳が上達しない理由として、その根本に、技術的な事よりも、それまでの生活環境であったり、現時点での精神的な部分が関係してくるケースが多くみられます。
なのでここでは改善するための具体的な技術論は書かせて頂きませんでした。
記載した中にはご自分のお子さんに当てはまるケースがあったという方も多いと思います。
決して、自分の子供だけが上達に足踏みしている訳ではありませんので安心して頂けたらと思います。
3.分かっちゃいるけど
入会の目的は「健康な体に、丈夫な体になって欲しい」というのが、どの保護者の方も必ず含まれる理由の一つです。
「大会に出て優勝して欲しい」「最低でも地区で一番になって欲しい」そう思って入会させる人はそうそう滅多におられないと思います。
ただ元気な体を手に入れて、健康で幸せに暮らしいて欲しいというささやかな親の願いだったのに、いつの間にか「同じ時期に入会したあの子には負けて欲しくない」みたいな、非常に的外れな欲求に変わっていきます。
そんな事ではない、そんな事はどうでもいい、と分かっているのに勝手に「ライバル」と思っている子供を見ると心がざわついてしまうのもよく分かります。
もうこればっかりは本人の受け取り方次第なので、私にできる事は「子供が水泳の上達に詰まるポイント」をお教えさせて頂いて、少しでも気持ちを穏やかにして頂くだけしかできません。
分かっているんです。
本当は誰しも分かっているんですよ、比べちゃいけないって。
比べるなら自分の子供が入会した時と今とを比べなきゃならなくて、他人と比べてはいけないんだって。
一番上達していないのは、自分の心の持ちようと物事に対する受け取り方なんだって。
分かってるんです、でも比べるんですよね。
でも、それで普通の人だと思うし、その感情を自分の腹の中だけで収めて他人を巻き込む事をしなければそれも有りかなとも思います。
子供は親の生き写しなので、子供を見ればその子の親がどんな人かというのはだいたい分かるものです。
親がイライラしてると子供もイライラしています。
そして心の中のイライラはすぐ泳ぎに反映されます。
「ああ、この子の親は進級テストに合格してないことにイライラしてるんだなあ」と子供の泳ぎを見ればすぐに分かります。
いくら腹の中に感情を収めても、指導員にだけはバレてますので、そこだけはご承知おき下さいね。