クロールでのストレートアームリカバリーは上級者にも使えるアイテム

クロールのリカバリー動作にストレートアームと呼ばれるものがあります。

今回はストレートアームでリカバリーする事のメリットをご紹介します。

1.クロールのリカバリー

クロールのリカバリー動作には肘を釣って前に戻すような「ハイエルボー／エルボーアップ」と呼ばれるものと、腕を大きく回すように戻す「ストレートアーム」と呼ばれる2つが現在主に用いられる方法です。

水泳初心者の時は基本的にストレートアームで、上達するにつれハイエルボーに変わっていくパターンがほとんどです。

クロールのハイエルボーリカバリーのメリットしては、クロールの軸がブレにくい、素早いリカバリーが出来るというものが主に挙げられるもので、水泳が上達するに伴い余裕が出て来はじめた時に、多くの方が効率のいいハイエルボーを習得されます。

水泳初心者の場合は、まず出来るだけ前の方から後ろの方までしっかり腕を回さないといけません。

そのため、クロールの練習も肘を伸ばしたままのストレートアームでリカバリー動作を行い、全体像を体で覚えていくようになります。

なので自然と「初心者のクロールはストレートアームのリカバリー」で「上級者のクロールはハイエルボー」と分けて捉えられがちになります。

しかし水泳上級者に陥り易いミスとして「慣れてしまったが故に、どのような場面でも手を抜けるところは抜いてしまう」というものがあります。

ある程度泳げる方は、多分ほとんどの方は自分でも既に分かっているのです。

自分の意志に反して、体が勝手に手を抜いて泳いでるって。

自分の意志に反するかどうかは置いといたとしても、今一度クロールでストレートアームのリカバリーを行ってみましょう。

次の泳ぎにつながるヒントが見つかるかもしれません。

2.クロールのストレートアームリカバリーの活用法

水泳上級者なら、クロールをストレートアームリカバリーで泳ぐ事は簡単にできると思います。

しっかり意識して泳いでみて下さい。

そして途中からキックをドルフィンキックに変えて片手バタフライに泳ぎを変えます。

ただし変えるのはキックだけで、ストレートアームのリカバリーをそのまま続けるのがポイントです。

バタフライ初心者で、最もつまづき易いポイントは腕が水から出ないというものが挙げられます。

出ない要因は色々ありますが、とりあえず出易い方向に仕向けるためには、片手バタフライは少なくともストレートアームでリカバリーされる事をお勧めします。

よく片手だからと、片手バタフライの時にクロールと同じハイエルボーでリカバリーされる方がおられますが、例え片手でも、例え横向きでもバタフライはバタフライ。

通常のコンビネーションの状態のバタフライのリカバリー動作はストレートアームのはずです。

通常のバタフライが横に傾いているだけの片手バタフライという風に考えれば、その片手バタフライの時にハイエルボーでリカバリー、つまり指先が下を向いて水面すれすれの状態を、そのままフラットな状態に戻すと、少なくとも手首から先は水の中に浸かっている事になります。

これではコンビネーションの時、水から手がでなくても仕方ないと言えば仕方ないです。

片手バタフライの時にストレートアームのリカバリーをすれば、コンビネーションの時に腕が水面から上がるのかと言えば、もちろんそれだけでは水上リカバリーができることにはなりません。

しかし、わざわざ水中に手が沈み易い形で練習をする必要性もありませんので、少なくともハイエルボーでのリカバリーよりかは、ストレートアームのリカバリーがよりバタフライのコンビネーションに近いと言えることになります。

3.腕の重さ

ハイエルボーとストレートアームでは肩に掛かる重さが違ってきます。

一般的な成人の片腕の重さはだいたい5キロあると言われています。

ストレートアームのリカバリーだと、その5キロがもろに肩に掛かる感じになります。

ストレートアームのリカバリーは、一度ハイエルボーでのリカバリーを覚えた人にとっては結構しんどいというのは重々承知致しております。

文字通り手を抜きたい気持ちはよく分かりますが、ここは一つ頑張って、更なる上達の為に、もう一度クロールでストレートアームリカバリーの練習をされる事をお勧めします。

美しいバタフライの為にもぜひチャレンジしてみて下さい。