ウィップキック | 平泳ぎのキックを練習しよう

ウィップキックは現在の競泳界において最も多く平泳ぎで使われているキックの方法です。

しかし、その形にこだわる事は一番重要な事ではないはずです。


1.平泳ぎのウィップキックとは?

平泳ぎのキックは大きく分けて2種類あり、カエル足のような感じで膝を大きく開いて挟むようなキックとウェッジキック、膝をあまり大きく開かず、足の裏で後ろに水を押し込むように蹴るのがウィップキックと呼ばれています。

ウィップキックは、ざっくり言えばオリンピックで泳いでいるような人がやっているようなキックです。

という事は、物凄く平泳ぎが上手な人となりますが、もちろん一般水泳愛好者でもウィップキックをやっている人はやっています。

一般的に、平泳ぎのキックの習得はウェッジキックから入り、上達するに伴いウィップキックを習得するように言われています。

しかし問題は習得の順序ではなく、習得の内容にあります。


2.平泳ぎキック習得の大切なポイント

平泳ぎのキックは、最終的にはウィップキックを目指すように、というのが通例です。

なぜなら、競泳という観点から見ると、平泳ぎはウィップキックの方がより効率的に泳げるから。

なので、習得しようとする人も指導する人も、そこを目指して頑張ろうとします。

まずこの時点で注意して頂きたい事は「習得しようとする人が何才か」という事です。

成長期にある子供ならもちろんある程度の幅が広がるし、可能性もこれから見出せます。

しかし成長期が過ぎた成人になってくると、残念ながらリスクの方が高くなってしまいます。

成長期が過ぎた成人は、もともと関節が柔らかい人、普段から関節を柔らかくする努力をされている人でないと、ウィップキックは少々危険を伴う可能性が出てきてしまうのです。

特に指導者はここをよく理解しておかないと、大変な事になりかねかいのです。

最も大切なポイントは「そのキックの方法はその人に合っているかどうか」という事です。


3.一般スイマーは「速く」より「長く」

平泳ぎのウィップキックはスピードを追及する水泳選手が、ルールギリギリの中でいかに速く泳げるようになるかを考え、練習に練習を重ね生み出されたキックだと思います。

そんな一流の水泳選手でさえ、膝などを痛めてしまう事もある平泳ぎのウィップキック。

速さの代償としては致し方ないのかもしれませんが、一般の水泳愛好者はそこまで追求する必要性は無いように、個人的には思います。

もちろん練習するのはいい事だと思いますが、くれぐれも「形」ではなく「感じ」を常に大切にして頂きたいと思います。

少しでも腰や膝に違和感を感じるようであれば、その形はその人の体に合っていないという事になりますので、その場合は、別の方法に変える必要性があります。

1968年のメキシコオリンピックに出場された田口信教選手は自ら考案した「田口キック」で試合に臨みました。

準決勝で当時の100M平泳ぎの世界新記録を出すも、そのキックは泳法違反とみなされ失格となりました。

そしてその次の1972年ミュンヘンオリンピックでは「新・田口キック」で同じ100M平泳ぎに出場され、見事当時の世界新記録で優勝されました。

ルールの範囲内で、自分にできる最高のパフォーマンスの結果が「新・田口キック」。

田口選手に最も合ったキックであり、田口選手だから出来たキックだったのだと思います。

一般水泳愛好者の場合はまず怪我なく楽しく行うのが大前提です。

その事で長く続ける事ができ、長く続けられるからこそ、上達する事につながります。

ですので無理にウィップキックの形にこだわらず「水を蹴る感覚」を重視される事を強くお勧めしたいと思います。

そして何年後かに「俺キック」や「私キック」を完成させてみるのはいかがでしょう?

水泳の幅も広がるし、ついでに夢も広がると思いますよ。

[hira]

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