クロールでゆっくり泳げないのはなぜか?

クロールが25M完泳出来るようになると、次に挙がってくる目標の一つに「クロールをゆっくり泳げるようになりたい」というのを多く耳にします。

なぜクロールがゆっくり泳げないのか?その原因と練習方法を探ってみましょう。


1.クロールがゆっくり泳げない

成人の方が初めてクロールを泳げるようになりたいと思ったとき一番初めに憧れたのは、水泳大会に出て優勝することでもなく、トライアスリートのような力強い泳ぎをガンガンしたかった訳でもありません。

大概の人がスイミングなどで、フリーで上手に泳がれている一般の人を見て「自分もあんな風にゆっくりスマートに泳げるようになってみたい」という憧れから入る方がほとんどです。

憧れの対象が一般泳者なので、もちろんその憧れは射程圏内。

いざ自分もと水泳を始め、何か月も、人によっては何年も努力を続け、そしてほとんどの方がクロールを25M完泳出来るようになります。

まさに努力の賜物であり、我ながらよくここまで頑張ったと、思うけど何か今一つ腑に落ちない。

それが大体「泳げるけど、ゆっくりは泳げない」ということ。

次の章はその原因を探ります。


2.クロールは泳げるけど

クロールをゆっくり泳げるようになりたいという方は「クロールは泳げるんだけどゆっくりは泳げない」とよくおっしゃられます。

クロールは泳げるけど、ゆっくり泳げない。

それは単刀直入に言うと、クロールが泳げてないということなのです。

問題は自分自身でそこに気づけるかどうかです。

クロールは泳げるけどゆっくりは泳げないという方は、自分ではクロールが泳げいると思っています。

なので水泳技術の更なる上達を目指します。

そのために、その他の泳法にチャレンジしてみたり、その為の色々な練習方法を取り入れようとします。

それはまったく問題ないし、決して悪いことではありません。

大事なのは、その他の泳法の練習を取り入れるとき、同時にクロールの練習を行っているかという事。

その時のクロールの練習の割合は、最低でも全体の半分の時間を割いているかということです。

近代4泳法の最もベースの泳法となるのがクロールです。

他の種目を練習するからといってクロールをなおざりにする事は、他の種目の足を引っ張っていることになりかねません。

クロールが自由自在に泳げるようになると、特に子供などは、他の3泳法は見せただけで出来るようになる子も実際にいました。

ですので、クロールがゆっくり泳げないという方の非常に重要なポイントとしては、自分はまだクロールが泳げていないと自覚するということです。


3.クロールをゆっくり泳げるようになるために

ではクロールをゆっくり泳げるようになるための具体的な練習方法をご紹介します。

その練習方法は今までやってきた練習方法を反復して行うだけで十分なのです。

新しい練習方法は取り入れても問題ありませんが、何が何でも取り入れる必要もありません。

今までの練習方法が間違ってなかったからこそ、クロールが25M泳げるようになったのではないですか?

今までの練習方法を繰り返し行ってきたからこそ、ゆっくり泳ぐことはまだ出来ないけど、何本かは続けてクロールが泳げるだけの持久力が備わってきたのではないですか?

今後、クロールをゆっくり泳げるようになるためにとりあえず必要なことは持久力。

それは肉体的だけでなく精神的な持久力も必要となってきます。

今までやってきた練習は目新しさに欠け、且つ体が慣れてきているのでなかなか身が入らなくなってきています。

そのような心持ちでは、技術も持久力ももちろん身につかなくて当然です。

ゆっくり泳げている人は、何より心にゆとりがあるから。

今まで人の何倍も練習してきたという自信からくるゆとりも、その中に含まれます。

水泳の泳力というのは、泳法技術と持久力のセットで泳力となります。

具体的な練習方法としてお勧めできるのは、今までの練習内容はそのままで、その内容を繰り返す回数を、同じ時間内に1回増やし、その代わり休み時間を減らすというところから始められたらよろしいかと思います。


4.気持ちの焦りが泳ぎの焦り

今までの練習が決して間違っていたわけではありません。

ただ、早く水泳をマスターし、少しでも上達したいという気持ちの焦りが心のゆとりを無くし、結果水泳の基本であるクロールも焦って、ゆっくり泳げないことにつながっていきます。

逆に言えば、気持ちにゆとりを持ち、焦りを無くせば自ずと改善されることにつながってくるとも言えます。

気持ちの焦りを無くし、泳ぎの焦りを無くす。

そこから始めればきっと近いうちに、今度はあなたが誰かから憧れの視線を向けられるようになっていますよ。

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