五十肩のためのストローク | 初心者のためのクロール

機嫌よく水泳を楽しんでいただけなのに、ある日突然襲ってくる五十肩。

五十肩でお悩みの方に少しでも快適なクロールを泳いで頂きたいと思い、私が実際に五十肩発症時にやっていたストロークの方法をご紹介します。


1.水泳初心者と五十肩

クロールのストロークは肩から大きく回すのが基本です。

なので肩こり解消のために水泳を始めた方が、上達するにつれ肩から大きく回せるようになり、肩こりが和らいだという方は結構おられます。

しかし肩こり解消のために水泳教室に通い始めたのに、半年も経たない水泳初心者の方の中にも肩が痛くなったという方が時々おられます。

肩こり解消という理由で水泳教室に通い始める年齢層として、その大半を占めるのは中高年層。

その年齢層の肩が痛い最も多いパターンとして五十肩があります。

実際、病院で診察を受けて頂いて、ほとんどの方が痛みの原因は五十肩。

五十肩のはっきりした原因は現在もまだ解明されていないようですが、老化やそれまでの運動不足によって硬くなった肩周辺の腱や関節などの炎症が原因の一つと言われています。

五十肩を発症する原因が水泳だったのかもしれませんし、違うかもしれません。

間違いない事は、それまでの運動不足などのツケが回ってきた、という事です。


2.五十肩でもできるクロールのストローク

五十肩の改善方法の中に運動療法があります。

私自身、過去に五十肩と診断され、その時に医師から「泳げるんだったら水泳したらいいんだよ」と言われました。

右肩、左肩、右肩の順番で五十肩を発症し、2回目の右肩が痛かった期間は2年ほど続きましたが、その間、時間を見つけては泳ぐようにしていました。

その甲斐あって、お陰で通常の可動域を保ったまま完治してしまいました。

その時医師から言われた事でよく覚えている事は「痛いからと言って動かさないと、可動域が狭い状態で癒着するよ」という事です。

なので五十肩で肩が痛い方も、ぜひ水泳を続けて頂く事を強くお勧めしたいです。

だからといって痛い物は痛いです。

そこで私が五十肩の時やっていた肩にかかる負担が少ないクロールのストロークをご紹介したいと思います。


1.肩が痛い方でもできるクロール① 手の平から出す

クロールのストロークで肩に痛みを感じ易いのはリカバリー動作の時で、多くのパターンとして水から手を出す時に最も痛みを感じます。

なので水から手を出す時、手を外旋(外返し)させ、手の平から出すようにします。

腕を外旋すると肩甲骨の動きが小さくなり、肩を大きく回さなくても腕が前に戻せる感じになります。

ただしこれで痛みを感じる方は絶対にやらないで下さい。


2.肩が痛い方でもできるクロール② 水をかかない

クロールのストロークでエントリーしている格好を立位で行うと、肩から腕を上に持ち上げている格好になります。

泳いでいる時は腕は水に浮いているので、腕の重さが肩に掛かっていない分、さほど痛みは感じませんが、やはり負荷がかかると痛みを感じ易くなります。

なので水中では水をかかず撫でるだけにしておきます。

すると肩に負荷を掛けずに、クロールのストロークとしての軌道は確保できますので、肩の可動域を広げる運動につながります。

ただし、先ほどと同様、この動きで痛みを感じる方は絶対にやらないようにして下さい。


3.まずは医療機関で診断を受けてから

五十肩の症状の出方は人それぞれで、痛みを感じる具体的な手の向きもそれぞれ違います。

なので上記の内容はあくまで参考程度にお考え下さい。

また、痛みが出た場合はまず医療機関で診察を受け、スポーツに関しても必ず医師の指示に従うようにして下さい。

いずれにせよ、自己判断は厳禁です。

これからのんびり水泳を楽しみたい方も、更なる上達を目指される方も、健康な体があってこその水泳であるという事だけは、くれぐれも念頭に置いておかれますようお願い申し上げます。

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