2ビートと6ビートの違い | 初心者のためのクロール
クロール泳法の中には2ビートで泳ぐ方法や、6ビートで泳ぐ方法があり、中でも2ビートの泳ぎ方は見た目が美しく、初心者がよく憧れる泳ぎ方です。
しかし憧れだけで安易に形だけを真似してしまうと、大きな落とし穴に落ちてしまう場合があるのです。
1.クロールの2ビート、6ビートって何?
ビートとはキックの事で、クロールのビートとは、1回手をかく間にキックを何回打つかという事です。
つまりクロールの2ビートは片手を1回かく間に1回キックを打つという事になり、6ビートは3回キックを打つという事になります。
同じクロールという泳法で、なぜ2ビートと6ビートなどというキックの数が違う泳法が出てくるのでしょうか?
2.2ビートのクロールと6ビートのクロール
一般的に2ビートが使われるクロールは長距離を泳ぐ時で、6ビートが使われるクロールは短距離を泳ぐ時と言われています。
長距離は持っている体力を長く維持しながら使わなければならない泳ぎ方なので、体力の消耗が比較的軽微な2ビートが適しているという事になり、瞬間に爆発的な力を必要とする短距離は6ビートが合っているという事になるのでしょう。
一般の水泳愛好者の方も普通に泳がれている時の泳ぎ方が、2ビートの方もおられれば6ビートの方もおられます。
力強い6ビートも良いのですが、ゆっくりのんびり2ビートで泳いでいるクロールは、とても楽そうで見た目的にもスマート。
「水泳が上達した人ならでは」の雰囲気満載の泳ぎ方で、水泳初心者が憧れる泳ぎ方です。
しかしその憧れで技術だけに走ってしまうと、とんでもない落とし穴が待っているのです。
3.2ビートでも6ビートでも基本は同じ
水泳はストリームラインの維持が上達の鍵となるスポーツです。
極端に言えば、水泳はストリームラインの姿勢でけのびを行い、そのけのびの合間で手や足や呼吸を行うようなものです。
言い換えれば、いくら手の動かし方が良くても、いくらキックが強くても、姿勢が崩れていては本末転倒なのです。
クロールという泳法はその姿勢に沿った縦軸(頭頂部からお尻またはつま先まで走った真っ直ぐな軸)回転の泳ぎです。
その姿勢の維持に大きく貢献しているのがキックです。
水泳初心者は姿勢がまだ確保できていないので、無意識にキックをしっかり打って姿勢を保とうとします。
なので必然的に6ビートのクロールになります。
しかしだんだん上達するにつれ、姿勢も体で維持できるようになってきます。
故にキックの回数が減っても姿勢が崩れなくなるので、2ビートでも大丈夫なのです。
キックの回数が多くても少なくても、クロールは縦軸をブラさず泳ぐという基本は同じです。
その基本を踏まえておかないと本末転倒の残念過ぎるクロールとなるのです。
4.見えないところの努力の賜物
2ビートのクロールは長距離を効率よく泳ぐためのクロールと申しました。
つまり長距離を泳げるだけの泳法技術と持久力があって初めてできる2ビートなのです。
水泳でもお肌でも、見た目が美しいのには、見えないところでの努力が必ずある事をくれぐれもお忘れなく。