50M自由形~初めての大会に向けての練習ポイント
50M自由形はスイミングクラブなどでも比較的練習し易い距離なので、初めて水泳大会に出るときにも選ばれ易い種目です。
今回はそれに関わる色んな事柄からその練習について考えてみます。
1.初めての水泳大会
水泳上達を日々志し、何日も練習を重ね、まあまあ人並み泳げるようになり、最近では初心者の方から質問までされるようになった。
そんな頃になるとそろそろ次の目標が欲しくなってくるものです。
そして意欲のある方がその目標として掲げられるものの一つに「マスターズ水泳大会」があります。
モチベーションを高めたい方にも、更なる水泳技術の上達を目指す方にも打ってつけの目標だと思います。
そしてそのデビュー大会で選ばれ易い種目が「50M自由形」です。
今回は「初めてマスターズ水泳大会で50M自由形を泳がれる方のための練習」について考えましょう。
2.50M自由形に欠かせない練習
まずほとんどのケースとして水泳を始める場合スイミンググラブに通います。
一般的な民間のスイミングクラブは25M屋内プールが普通です。
そしてマスターズ水泳大会が行われるのもだいたい25M屋内プールです。
つまり50M自由形に出場するためには、25Mプールでターンの練習をする必要があります。
次の章ではクロールのターンについてみてみましょう。
3.自由形のターン
自由形のターンは壁にタッチしてから向きを変える「タッチターン」と、タッチせずに壁の手前で前回りのような感じで向きを変える「クイックターン」の2種類が主流となっています。
どちらを選択しても問題ありません。
多くの方はタッチターンを先に習得されます。
その為、練習の回数がクイックターンより多くなり、必然的にタッチターンの方に体が慣れています。
今回は「初めて大会に出場する」という設定ですので、出場しようとする大会は3か月、もしくはせいぜい半年先の大会となるはずです。
という事は、練習に残された時間は長くて半年。
正直半年ではクイックターンでの50M自由形を自分のものにすることは非常に難しいです。
しかし大会は、特にデビュー大会は参加することに最も意義がありますので、少々失敗してもいいと思われる方は、思い切ってクイックターンで出場しましょう。
1秒でも速く泳ぎたいとタイムを優先される方や、とにかく失敗無く終わりたいと安全を優先される方は、クイックターンでもタッチターンでもどちらでもいいですが、慣れている方を選択されることをお勧めします。
4.一番いい練習
自分のいつも通っているクラブで大会が開催される場面に遭遇する人は、参加者全体の1割ぐらいですから、殆どの参加者が慣れていないプールで泳ぐことになります。
特に初めての場合、慣れていないプール、慣れていない会場、慣れていない初めて見るよそのクラブの泳ぎ、挙句の果てに慣れていない道のりで会場入りする訳ですから、本当はもう会場に着いた時点でグッタリのはずです。
しかし緊張しているので、しんどさはさほど感じません。
でもその疲れは油断すると泳ぎに響いてきます。
ウォーミングアップで50M泳ごうとする時、「頭は結構冴えてるけど何か息苦しい」とか「理由は分からないけど動悸がする」とか、それはだいたい目に見えない部分に出てき易いです。
その為ウォーミングアップを少し早めに切り上げる。
早めに切り上げたら「十分アップ出来ていないかもしれない」という少しの不安が残る。
その不安を抱えたまま本番に臨む訳ですから緊張も2割増し、といったところでしょうか。
2割増しの緊張は3割増しで体を硬くします。
体が硬いまま泳ぐと、もちろん伸び伸びとしたいつも通りの泳ぎができるはずもなく、当然のようにエントリータイムより遅くなるのは目に見えています。
それだけなら笑い話で済みますが、硬いまま泳ぐのはケガをし易い大きな要因の一つです。
どこで怪我をするかというと、もちろん飛び込み、そしてターンです。
50M完泳のためにはターンは必ず行わなければなりませんが、そんな状態で、仮にクイックターンにまだ慣れていない状態としてそのターンを行うことは本当に危険です。
一見何の関係もないように見えた初めの多少と思っていた疲れは、後々大きく響いてくる可能性大なのです。
そのためにもまずは少し早めに会場入りして、ゆっくりと泳がれ、できることなら眠らなくてもいいので少し横になってから本番に臨まれることをお勧めします。
でも本当に一番いい練習は、大会当日までに一度は会場となるプールで出場種目である50M自由形を泳がれる事。
会場に慣れることも大切な練習の一環です。
5.初めての50M自由形
今回は「初めてマスターズ水泳大会で50M自由形を泳がれる方のための練習」ということで、技術面ではなくその他の観点から無事に完泳するための色々な練習を考えてみました。
初めては誰でも緊張して、それと同時に新鮮です。
大人になると緊張したりドキドキしたりワクワクしたりする場面に出会う機会が減ってしまいます。
しかし大会に出ると、仕事や日常生活では味わうことのできないドキドキを味わえます。
そして終わったあとの達成感と開放感がやめられず、一度出た方はまた出たくなる人がほとんどです。
初めて出られた方は、次も同じ50M自由形に出場して、今度は目標タイムをクリアするという別の達成感を味わうのもいいかもしれません。
しかしよく考えると、この達成感は大会出場とは違う場面で過去に誰しもが味わってるはずなのです。
それは「生まれて初めて50M自由形を泳げた時」ではなかったですか?