あおり足になってしまう場合 | 平泳ぎのキックを練習しよう

平泳ぎのキックを習得する段階になり、足があおり足になってしまう方は割と多いです。

あおり足になる原因は、足だけにあるとは限りません。


1.平泳ぎのキックのあおり足とは?

本来「あおり足」とは片足が甲、もう片足が足の裏を使って挟むように泳ぐ足の動きのことを指すそうで、主にダイビングに使われる足の使い方だそうです。

平泳ぎのキックの場合のあおり足というと、一般的には両足が足の甲で水を蹴っている状態の事を指します。

ここで平泳ぎキックのルールの確認をしておきましょう。

財団法人日本水泳連盟の競泳競技規則では平泳ぎのキックに関しては以下のように定められています。

「両足のけりは、後方の外側に向かわなければならない。あおり足、バタ足および下方へのバタフライキックは第8項の場合を除いていかなる場合も許されない。足が水面より出ることは、下方へのバタフライキックでない限り違反とはならない。」(財団法人日本水泳連盟競泳競技規則より抜粋)と記載されています。

故にあおり足は平泳ぎのキックとしてはアウトとなります。

なのであおり足の人はみなさん直そうと一生懸命平泳ぎのキック練習をされます。

また色んなところでも「平泳ぎのキックのあおり足の直し方」というような内容をたくさん紹介されておられます。

今回は平泳ぎキックのあおり足の具体的な直し方ではなく、その原因に着目し、そこから解決のヒントを探ってみましょう。


1.平泳ぎキックのあおり足の原因① 両足があおる場合

割と見落とされがちな平泳ぎキックの両足があおる原因は「肩に力が入っている場合」です。

平泳ぎのキックが出来ない人は、当然のように平泳ぎのキックをさせるとスピードが出ないので沈み易くなります。

誰しも沈もうとすると何とかして浮こうと焦ってきます。

その焦りに加え、沈むまいとビート板の浮力に頼ろうとします。

するとビート板にしがみつくような感じになってしまい、一見普通にビート板が持てているように見えても、実は結構手や肩に力が入った状態になってしまいます。

肩と腰は連動して動くように出来ています。

肩に力が入ると腰にも連動して力が入ります。

そしてその力みは足にも伝わり、結果、足首にも力が入り過ぎ、平泳ぎの足の形を作りにくい、となってきます。

そんな場合の手っ取り早い方法は「ヘルパー等で浮かせるなどして腰を安定させ、それが出来てから平泳ぎのキックの練習に入る」という事をお勧めします。

色んな方法を試しても今一つ上手くいかない方は、原因は足ではなく肩にあるのかもしれません。

今度練習される時は、その部分はを少し意識なさってみると感じが変わってくるかもしれませんね。

直し方は色んな所に書かれている直し方で十分直せます。


2.平泳ぎキックのあおり足の原因② 片足だけがあおる場合

これもよくあるパターンですが、この足の最も多い原因は骨盤の傾きです。

簡単な改善方法としては、あおっている足の方に顔を向けるようにする事です。

日本泳法に見られるいわゆる「横泳ぎ」は文字通り横向きで泳ぎます。

横泳ぎの時はあおり足を使用しますが、必ず右向きで泳ぐ場合は左足があおり、左向きで泳ぐ場合は右足があおります。

つまり腰が下になっている方が必ずあおり足になります。

平泳ぎのキックは左右対称ですが、体が左右対称になっている人はほとんどおられず、自分では真っ直ぐなつもりでも、どちらかに微妙に傾いているのが普通です。

故に骨盤もそうそう水平になっている人もおられず、中には極端に傾いている人もいます。

その傾き具合が少し大きく、若干横泳ぎの骨盤の傾き状態になっている人が平泳ぎのキックをすると片足があおるような形になり易いです。

要点は骨盤を水平にしてあげる事です。

その手っ取り早い方法が、あおっている足の方に顔を向けて下がった骨盤をあげてやる、という方法です。

そして自分ではちょっと傾いている感じがするけど、それで水平なんだということを体に教えてあげます。

その感覚に慣れてきたら、腰だけはその感覚を残し、顔は前に向かせて通常の状態に戻します。

片方の足だけがあおるという事は、もう片方は出来ているのですから、足首を返すという感覚は理解できているので、その傾きを矯正してあげると、特に教えなくても割とすんなり出来てしまう人が多いです。

矯正する前に、体の傾き具合をチェックしてみてはいかがでしょうか?


2.「前に進む」=「正しいキック」ではない事を理解して

クロールの推進力の分布はストローク8割、キック2割と言われていますが、平泳ぎの場合はストローク6割、キック4割、人によっては半々という場合もあるそうです。

それほどまでに平泳ぎの上達にはキックは欠かせない要素になります。

平泳ぎはあおり足のキックでもある程度推進力が出ます。

前に進んでいると出来ていると勘違いし易いものですが、あおり足のキックでは、平泳ぎはいつまで経っても上達はしません。

そもそもルール違反になるので、公の場では泳ぐことすらできません。

得意、不得意はあると思いますが、足首さえ返っていれば何とかなるのが平泳ぎ。

あおり足の原因は足以外の部分にもあるという事を知って、初期の段階で正しい平泳ぎのキックを習得できるように頑張って下さい。

[hira]

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