背泳ぎの指導をする時の一番大切なポイントとは?
今回は背泳ぎの指導ポイントをご紹介致します。
指導する上において色々あるポイントの中で、最も大切な指導ポイントとは一体なんでしょうか?
1.指導ポイント
水泳の指導は対象者によって大きく異なります。
背泳ぎの同じ個所を指導する場合でも、初心者の時に「○○して下さい」と言っていたことも上達するにつれ「○○はやらないで下さい」というふうにポイント自体が変わってくることもよくある事です。
ですので今回は、初心者であっても、水泳歴が10年くらいあって背泳ぎもかなり上達してる人でも共通して気を付けるポイントを取り上げてみたいと思います。
2.背泳ぎの指導のポイント
背泳ぎの指導のポイントは大きく3つあります。
呼吸、姿勢、キックこの3つです。
あくまでも大きなポイントのみということで記載致しますので、その点を踏まえた上で読んで頂けると非常に有難いので、何卒よろしくお願い申し上げます。
1.指導ポイント① 呼吸
子供から大人まで、生きていく上でも一番大切なのは呼吸です。
背泳ぎの指導ではとにかく鼻から息をしっかり吐くというのがポイントです。
初心者の場合は自分の頭の中でリズムを取りながら、それに合わせて吐くように指導すればいいと思います。
ある程度上達してくると、吐く事を基準に自分のリズムを探すように指導します。
リズムの探し方としては手の入水時に合わせてみたり、フィニッシュ時に合わせてみたり色々試して頂ければいいと思います。
更に上達してくると今度は呼吸でリズムを取るように指導してみます。
動きに呼吸を合わせるのではなく、呼吸に動きを合わせるようにすると個人メドレーの時に割と便利になってきます。
2.指導ポイント② 姿勢
背泳ぎに限らず水泳はストリームラインをしっかり指導してあげる事がポイントです。
初心者の場合は、まだ仰向けに慣れていないので背中の真ん中あたりに手を置いて補助してあげながら指導して下さい。
初心者の場合は、恐怖心が取れてから、手を上に伸ばすよう指導してあげて下さい。
恐怖心があるうちは無理に正確なストリームラインを取れなくても大丈夫です。
ある程度上達してきたらスタート時の姿勢に気を付けるよう指導してあげてみて下さい。
スタート時の爪先の位置はできるだけ水面近くまで持ってくるようにして、頭の高さと足の高さを壁を蹴る前から同じにして、いち早くストリームラインが取れるようスタートの指導もしてあげて下さい。
そして壁を蹴った勢いを十分利用して、仰向けの蹴伸びで伸びる感覚が習得できるように指導してあげて下さい。
その際、おへそ辺りを縦方向にしっかり伸ばすよう伝えてあげて下さい。
更に上達してくると、少し潜った位置からスタートして、潜水の状態で蹴伸びができるよう指導してあげて下さい。
先程の呼吸で気を付けたポイントと同様に、潜水でストリームラインが取れ、蹴伸びが出来るようになると個人メドレーで役に立ちます。
背泳ぎの姿勢での共通した指導ポイントとして「足首を伸ばし爪先を揃える」という事も、背泳ぎのストリームラインを作る上において便利な要素なので、共通して伝えるようにして下さい。
3.練習③ キック
背泳ぎは足で泳ぐようなものなので、キック指導は欠かせません。
初心者の場合は、とにかく膝を伸ばして力任せでも構わないので足を動かすよう指導して下さい。
力任せは限界が来るのが早いので、言わなくてもすぐさぼろうとし始めます。
さぼる度に声を掛けてあげて、とにかく足を止めさせない事が初心者における背泳ぎのキックの指導ポイントです。
少し慣れてきた頃を見計らって「親指と親指が触れ合うように」ということと「膝が水面上に出ないように」というもの併せて伝えてあげて下さい。
ある程度上達してくるとキック力の強化が必要になってきます。
仰向けのまま小さく「前にならえ」の形を作り、手首から上を水面に出してキックするように指導してみて下さい。
手首から上が水面上に出ただけでかなり負荷がかかるので、手軽にキック力の強化の練習ができるかと思われます。
更に上達してくると、ビート板の端を持って、ビート板を頭の上に立ててキック強化を図ってあげて下さい。
ビート板は少なくとも半分は水没させて下さい。
これはきついです。
相当きついです。
私はやりたくないです。
でも更に上達を目指す方ならきっと大丈夫でしょう。
始めは小さいビート板から始め、慣れてきたら大きいビート板に変えていきます。
負荷が変わってもキックの形が変わらないように気を付けるのがポイントです。
3.信頼関係があってこそ
背泳ぎの指導の大きなポイントだけを大まかにご説明しました。
対象者別に少々アドバイスは記載致しましたが、もちろん実際の対象者の状態に合わせるのが一番大切なので、その辺は臨機応変に行って下さい。
記載した内容はあくまでも方法論であって、このマニュアル通りにいく訳がないのが現状です。
指導員がいくらマニュアル通りに動いても、生徒さんはその指導員のマニュアル通りに動くはずがないのですから。
背泳ぎのみならず水泳指導において最も重要なポイントは指導者と生徒の間の信頼関係だと思います。
普段から生徒さんをよく観察され、しっかりコミュニケーションを取ることが一番大切な指導のポイントなのかもしれません。
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