背泳ぎの一番の魅力とは?
背泳ぎは「鼻痛いし、キックしんどいし、難しいし」というような感じで何かと敬遠されがちです。
しかし「背泳ぎの魅力」を知れば、その考え方も変わるかもしれませんよ。
1.背泳ぎが苦手な人
背泳ぎが苦手という方は初心者はもとより、そこそこ水泳が上達している方でも割と多いのが特徴の泳法です。
背泳ぎの苦手な理由は人それぞれ色々ありますが、苦手な人に共通して言える事は「苦手なので積極的に練習しない」というのがあります。
しかしただ単に積極的に練習しないのは「その魅力を知らないから」という事も考えられます。
背泳ぎが苦手なあまり練習する機会も少なくなり、ますますその魅力を知る機会から遠ざかってしまう方のために、背泳ぎの魅力をいくつかご紹介させて頂きたいと思います。
2.背泳ぎの魅力
背泳ぎの魅力はたくさんありますが、その中でも特に「それなら自分も練習頑張ってみたい」と思わずその上達に意欲が湧いてきそうな魅力をピックアップしてご紹介致します。
1.背泳ぎの魅力① 呼吸の形の練習をしなくていい
練習しなくていいというよりも、そもそも背泳ぎの呼吸するための形はありませんので練習の必要性がないと言ってもいいと思います。
技術が上達するにつれ細かく言えば色々あるのでしょうけど、基本的に上さえ向いていれば呼吸の形は完成しているので、特に初心者の段階ではその形に関しては何もする事がありません。
それだけでも練習しなければならない項目が一つ減り、25M完泳という目標にいち早く近づく事ができるので、その目標がなかなか達成できない方にとっては、背泳ぎの呼吸の形の練習が必要ないという要素は非常に魅力的かと思われます。
クロールの息継ぎの練習で現在つまづいておられる方は、背泳ぎから始めてみるのもいいかもしれません。
2.背泳ぎの魅力② 圧迫感がない
水泳を習いに来られる方の中には「子供のころ溺れたことがある」という方が意外と多いです。
そんな方が大人になって水泳を習いに来られた理由として最も多いのは医師の勧めです。
定期の健康診断で分かった内蔵脂肪の解消や、膝や腰などの関節痛の改善、中には手術のための体力をつけるためという方もおられました。
いずれにせよ現在の健康維持と改善ともなるとやらない訳にはいかないので、勇気をふり絞って、でもやっぱり溺れた時の恐怖の記憶はそうそう消えるものではないので、かなり嫌々来られる方もそれなりにおられました。
そんな方には背泳ぎをお勧めしていました。
普通で考えると背泳ぎの方が怖いイメージがありますが、溺れた経験がある方に共通してよく見られた事は「顔がしっかり浸けられない」という事。
気持ちはそれほど嫌がってない感じですが、過去に溺れた方は共通して顔を深くつける事を体が拒否する傾向が非常に強く、ご本人は無意識なのですが体が勝手に反応されてる方がほとんどでした。
私は溺れた経験がないのでその感覚はわかりませんが、その行動から考えられるのは、溺れた時の息苦しさの記憶かと思われます。
そこで背泳ぎなのですが、背泳ぎは顔はつけませんので顔面への水圧の圧迫感がありません。
顔は水に浸けただけで、何もしなくても心拍数が10ぐらい下がると言われていますが、顔を浸けないから心拍数の減少も起こりません。
人の体の中で冷たさを感じる受容器の1㎝平方メートルあたりの密度が高いのは顔面と言われていますが、顔を直接浸けないので水の冷たさもうつ伏せの種目に比べると感じにくいという事になります。
クロールがなぜかなかなか上手く泳げない方は、ひょっとしたら何らかの理由で顔にかかる圧迫感を体が嫌っているのかもしれません。
そんな場合もぜひ圧迫感のない背泳ぎを試してみるのもいいと思います。
3.背泳ぎの魅力③ 長い間泳げる
バタフライは泳力も必要ですが体力もある程度必要な泳ぎ方です。
私も60才になった時にバタフライができるかと言われても、今でさえいっぱいいっぱいなので正直ちょっと自信がないです。
その点背泳ぎならできる自信があります。
背泳ぎは浮くコツさえ覚えてしまえば、さほど体力を必要としない泳ぎ方です。
顔も水面上に出ていて息苦しさがないのも手伝って、多分80才になってもできる自信があります。
背泳ぎはゆっくり自分のペースで泳げば長い間、というより生涯できる可能性が高い種目というのが魅力です。
3.背泳ぎは生涯スポーツ
水泳は一度習得してしまえば生涯できるスポーツであり、健康維持法としても役立つものです。
特に背泳ぎは顔を浸けないので心拍数の減少もなく、年齢を重ねても安全にできる種目と言えるでしょう。
誰でも順番に必ず訪れる老いですが、老いてもやはりいつまでも健康であることに越したことはありません。
あなたの生涯の健康管理法の一環に背泳ぎがお役に立てば、水泳に携わる者として本当に嬉しく思います。
背泳ぎの魅力はたくさんありますが、一番の魅力はそこなのかもしれません。
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