平泳ぎの足を練習する人が練習する前にやらなくてはいけない事
平泳ぎの足がなかなか出来ず、一生懸命練習されている方をよく見かけます。
そんな皆さんにお伝えしたい「平泳ぎの足を習得する前にやらなくちゃいけない事」です。
1.平泳ぎの足がすぐできる人とできない人
自分の前に人が歩いていると、水泳指導員という職業柄ついその人のある部分に目がいきがちになります。
それは足なのですが「めっちゃバタ足早そう」とか「まさに“THE平泳ぎ”って感じだな」とか思ってしまいます。
その“THE平泳ぎ”の人はもちろん平泳ぎの足の練習が要らないタイプということですが、その人はもちろんズバリがに股の人です。
歩いている姿が平泳ぎの足そのものなので、こういう人は練習の必要がない人です。
じゃあその反対の極端な内股の人は平泳ぎの足を練習する時に苦労するかと言えば、これは一概にそうとは言えませんし、私自身それを見ただけで判断することはできません。
見ただけで判断はできませんが、少し簡単なストレッチを何種類かやって頂けるとある程度は分かります。
そして多分、多少なりとも練習の必要性はあるだろうなと判断できる人は足首が硬い人。
それ以外の関節が柔らかくても足首が硬い人は平泳ぎの足の練習はおそらく必要になってくる事が想像できます。
2.平泳ぎの足の練習の前に必要なもの
平泳ぎの足ができない人は本当にとことんできない人が多いです。
しかしながら何とか上達したい一心で一生懸命練習されておられる人をよくお見掛けします。
でもその努力は、なかなか成果となって現れません。
なぜ一生懸命練習してるのになかなか成果が表れないか。
大概の場合つまづきの原因はそこではなく一つ前にあるものです。
つまり平泳ぎの足の練習そのものに原因があるというより、足そのものに原因があるという事が考えれます。
それは先ほどの「足首の硬さ」です。
そして平泳ぎの足の練習に入る前に必要なものはバタ足です。
平泳ぎの足の練習をする前にちょろっとやって下さい、というのではなく、「バタ足が上達するまでバタ足を続けて下さい」という事なんです。
水泳そのものの上達にクロールは欠かせない泳法です。
一般的な順番で言うと、平泳ぎよりクロールの方が先に習います。
そのクロールをとことん泳ぎ込まず、苦しいバタ足練習の時に手を抜いたツケが、こういう別の泳法に出てくるようになるのです。
バタ足はその動かし方と水圧により足首をしっかりとストレッチしてくれ、そして足首が柔らかくなる方向へ導いてくれるのです。
つまり平泳ぎの足の練習の前に必要なものはクロールをとことん泳ぎ込み、バタ足をしっかり練習する事なのです。
3.たとえ硬くても
実際とことん頑張ったとしても、成長期が過ぎてしまっている成人の方がバタ足だけで足首を柔らかくすることは難しいかもしれません。
しかし手術などで身体的に足首の収縮伸展ができない方などを除き、一般的な成人の方でしたら、柔らかくする努力はできるはずです。
平泳ぎの足の練習に結び付けるために柔らかくする訳ですから、やはりバタ足は入れて頂きたいところですが、どうしてもバタ足嫌いという人はこの際ですから少々目をつぶりますので、ヨガなりストレッチなり何でも結構ですので、しっかりと柔らかくする努力をされる事を願います。
足首が柔らかくなっても柔らかくならなかったとしても、水泳を嫌いにならず続けていって頂けることが私の一番の願いですから。
とにかく平泳ぎの足の練習はあまり焦らず気長にボチボチされるのがお勧めです。
諦めず、上達してみせるという気持ちが無くならない限りいつかきっとできますよ。
「結局、平泳ぎの足は足首が硬い人はできないって事なの?」思われた方。
それはご安心下さい。
足首が硬い人でも平泳ぎの足はできるようになります。
私自身も足首どころか全身硬いですが平泳ぎの足もちゃんと出来るようになったし、手術で足首の収縮伸展ができない方にも平泳ぎの足の指導をして、そしてその方も平泳ぎのキックが出来るようになりました。
どうやったかって?
まあ、そこが指導員の足、じゃなく腕の見せ所なんですけどね。
[hira]