お家でできる自由形の練習方法
自由形の練習方法はとてもたくさんあります。
なので今回は視点を少し変えた練習方法をご紹介致します。
1.自由形の練習方法
水泳上達に意欲を燃やしておられる方は「他にも練習方法がないだろうか」と常に考え、探し、そして研究されておられる事でしょう。
そこで今回は「お家でできる自由形の練習方法」というのをいくつかご紹介致します。
具体的には練習方法というよりも「今やってる練習方法の確認」であったり「感覚の再認識」という方が近いかもしれません。
しかし環境を変えれば感覚が変わり、新しい角度からいつもの練習方法をみる事ができるかもしれません。
ただしこの練習方法はいくら繰り返し行っても実際のプールで自由形が泳げるようになる訳ではありません。
重複しますが、あくまでも今実際にプールで練習されていることの感覚的な再認識であったり発見を促すものでしかありませんので、その旨、くれぐれもご了承下さいませ。
2.お家でできる自由形の練習方法
今からいくつかご紹介致しますが、対象者の泳力はもちろん問いません。
大事なのは対象者の身体状態です。
肩、膝、腰、股関節などの各関節痛がある方、怪我をしている方は絶対にやらないで下さい。
筋力に自信がない方、血圧が高い方、その他の体調不良がある方もやってはいけません。
それ以外の方でしたらやって頂いても結構ですが、くれぐれも無理のない範囲で行うようにしてください。
1.お家できる練習方法① バタ足①
①床にうつ伏せに寝ます。
(この時腕は肩より上に置き、顔は下向きにします)
②いつも通りの感覚でバタ足をして下さい。
チェックポイントとしては膝を伸ばした状態で太ももの前側の部分が交互に床から離れているかどうかです。
いつも通りの感覚でやった時に太ももが床から交互に離れていない人は、普段のバタ足は膝から下だけでしか行えていない可能性が高いです。
交互に離れている人は、その時の腹筋に力を入れる感じと、足を上げる感覚に注目してみて下さい。
2.お家できる練習方法① バタ足②
①床にうつ伏せに寝ます。
(この時腕は軽くきおつけの状態にして顔は下向きにします)
②膝を真っ直ぐ伸ばし、太ももの前側が交互に床から離れるようにバタ足して下さい。
チェックポイントはバタ足に連動して両肩が小刻みに動いているというところ。
要は反射運動ということなのですが、この練習をして頂くとより実感して頂けると思います。
くれぐれも肩を自分で動かすのではなく、足が動いた結果その反射で肩が動いていることを忘れないようにして下さい。
ちなみに肩が動いていない人は太ももから足が動いていません。
3.お家できる練習方法② 片手クロール
①右の体側を床に着けて万歳の状態で寝ます。
(この時、足は真っ直ぐ伸ばし、上側の爪先が床につかないようにします)
②上側の手をクロールで水をかくように降ろしてきます。
(この時、肘は真っ直ぐ伸ばして下さい)
③降ろしてきた腕の腋の下が90度のところで止めます。
④その腕を肩から正面に突き出していきます。
この時、下側の足は前に、上側の足は後ろに動こうとするはずです。
上級者の方で、普段の練習でレッスンを受けておられる方は「右手を入水した時には左足が打ち下ろされる」という事を指導員から聞いたことがあると思います。
それがこの練習で、目視的にも感覚的にもしっかりと確認できると思います。
足がまったく動かないという方、またはそのままうつ伏せの方に体が倒れてしまうという方は、体幹に力が入っていません。
いわゆるストリームラインができていない可能性が高いです。
4.お家できる練習方法③ 飛び込み
正確には「遠くに飛び込むために力一杯スタート台を踏み込むタイミング」の練習です。
①足を軽く揃えてしゃがみます。
(足の揃え具合は、普段スタート台から飛び込む時と同じくらいの幅が望ましいです)
②いつも通りのスタートの形を取ります。
(いわゆる「よーい」の時の形です)
③重心を前に掛けます
この時、どこまで辛抱できるかをチェックして頂くのが練習の目的です。
飛び込みは非常に危険を伴う工程です。
一歩間違えば一生寝たきりになってしまいます。
なので少々慣れている人でも、実際の飛び込みの時は緊張していますし、逆に緊張していなければなりません。
その緊張という部分が入るため、細かいところまでチェックしにくいのが飛び込みの練習でもあります。
しかし床の上はまず高さがありませんので、飛び込んだ勢いで頭を打って頸椎損傷という危険性はありません。
その危険性がないだけでもリラックスでき、リラックス出来ているので重心の移動という繊細な部分にも集中し易くなります。
飛び込みも自由形などと同じく、気を付けないといけないポイントがたくさんあります。
この重心の移動の仕方もその一つです。
これだけでは飛び込みの練習になると言えませんが、重心移動の感覚の部分はつかみ易い練習方法なので、特に飛び込み時の踏み込みが上手くいかない方は試してみても面白いかもしれません。
ただ姿勢としては不安定な姿勢なので、周りに障害物がなく、クッションとなるものが敷いてある場所で行うようにして下さい。
3.自由形
今回は視点を変えた自由形の練習方法ということで、更に手軽にお家でできるものをいくつかご紹介しました。
「水泳の練習なのに陸上でやるなんて意味がない」という方もおられますが、それもその通りだと思います。
冒頭でも申し上げましたが、この練習では自由形は泳げません。
25M完泳したければプールで地道な練習をコツコツやらないといけません。
なので今日ご紹介した練習方法はあくまでも補助的練習方法です。
プールでやる練習方法がご飯なら、この練習はおやつみたいなもの。
おやつは食べても食べなくても生きていけます。
なので、この練習をしなくてももちろん、いつものプールの練習だけで十分自由形は泳げるようになります。
ただ、おやつもたまに欲しくなります。
そんな時にこの練習方法を思い出し、ちょっとやってみて、そして新たな発見につなげて頂き、みなさんの水泳技術の上達のお手伝いになれば幸いです。
この練習方法に色々ご不満をお持ちの方も多々おられるかもしれませんが、そこはひとつ「自由形」ということで。