クロールのリカバリー~大きく回して次につなげよう
クロールのリカバリー動作というのは、水中を最後までかき終えた後、その腕を水上で後ろから前に戻す時の動作のことをいいます。
問題はその形ではなく動かす場所にありました。
1.クロールのリカバリー動作の種類
クロールを泳いでる人をよく見るとそのリカバリー動作はおおよそ2つのパターンの種類があることをお気づき方も多いと思います。
一つは肘をしっかりと伸ばして大きく回すやり方。
もう一つは肘を曲げて、前腕部分が肘より下に下がり、指先が水面すれすれでコンパクトに回すやり方。
クロールのリカバリー動作は大きく分けてこの2つが現在の主流となっています。
肘を伸ばして大きく回すのが「ストレートアーム」と呼ばれるもので、肘を曲げて水面すれすれにコンパクトに回すのが「ハイエルボー」とか「エルボーアップ」とか呼ばれるものです。
では一体どっちのやり方がいいのでしょうか?
まずはそれぞれの特徴をチェックしてみることにします。
1.ストレートアーム
特徴としては、とにかく大きく回します。
水泳初心者がよく行う練習方法で、体全体の動きや、呼吸方法の上達につなげ易いので、このやり方の方が何かと便利という訳です。
やり方は最後までかいた手を、かき終えた形のままのイメージを保ちつつ、腕全体を背中側から戻し、上腕部分で耳を後ろから擦るようにして戻すような感じとなります。
この時鉛筆を持っていたとするなら、大きな半円を書くような感じになります。
大きく回す分、泳ぎのテンポは上がりにくく、必然的にゆっくり泳ぐのに適している感じになります。
2.ハイエルボー/エルボーアップ
特徴はとにかくコンパクトにすばやく戻せるというところにあります。
ある程度クロールが泳げるようになった方がよく行うやり方で、見た目的にもスマートで美しく、泳げるようになるとほとんどの方がこのリカバリー法に変わっていきます。
やり方は最後までかいた手を、かき終えた手の平の向き(上向きから内向きの範囲になっているはずなので)はそのままで、そこから肘だけを天井に突き出すようにします。
そこから、天井に突き出した肘をそのまま前方に運んでいくように移動させ、肘が耳の辺りを通過するぐらいの時に前腕部分を前へ出し、指先から入水するような感じで行います。
ストレートアームが半円を描くくなら、ハイエルボーは直線を描くイメージとなります。
直線を描く位置は、体からあまり離れてない位置で、体側に沿って真っ直ぐ書く形になります。
コンパクトに回す分テンポが上げ易く、スピードを意識して泳ぐ時にも適しているやり方かもしれません。
2.どちらのリカバリーがいいのか
それぞれのリカバリー動作の特徴を挙げましたが、結局どちらもそれぞれの特長があるので一概にどちらがいいとは言えません。
ただやはり水泳初心者の方は、やはり断然ストレートアームがいいという事だけは確かだと思います。
初心者のクロールにおける最初の難関は呼吸法の習得ですので、これをできるだけ早い段階で上達させるために、ストレートアームリカバリーは必須です。
これをやる事で体は大きく傾き易くなり、呼吸をするための姿勢が作り易く、同時に慣れる回数も増えるので、非常にお勧めのやり方となります。
ある程度泳げるようになった方になると、私個人の意見としてはどちらでもいい、というより、どちらもできるように両方練習しておかれた方がよろしいのではないかと思います。
クロールは水泳の上達には欠かせない種目です。
そのクロールの泳ぎの幅を広げておくことは、必ず他の泳法習得に役に立つからです。
上級者になればなるほど、ぜひ両方使い分けられるようになって、更なる水泳の上達を目指して頂きたいと思います。
3.根っこは同じ
クロールの2つのリカバリー動作の方法とその特徴を見てきました。
いずれにせよ、最終的に一番意識して頂かないといけない共通のポイントは、肩を大きく回すということ。
どんな形であれその動作を行う腕はどんな人でも肩から伸びていますので、しっかりと肩から大きく回されることをお勧めします。
リカバリーは終わりの動作ですが、先端の形にこだわり過ぎて根っこが回っいてないことには、そもそも話が始まってもいないのですから。